研究活動

公益財団法人生協総合研究所 2023年度第3回公開研究会
健康づくりへのナッジの活用

○ 開催日時
2023年9月21日(木)13:30~16:00
○ 開催形態
来場・オンライン配信併用
○ 開催会場
主婦会館プラザエフ5階会議室
○ 参 加 者
91人

プログラムと報告者(敬称略)

講演1
「ナッジを活用した健康づくり~理論と実践」
福田吉治(帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 教授・研究科長)
講演2
「ナッジの活用事例~食行動変容に焦点をあてて」
林芙美(女子栄養大学 栄養学部 准教授)

概要

 生協総合研究所「人生100年時代における健康づくり研究会」は2021年3月に問題提起「健康でありたいという願いによりそって~広げる、つなげる、生協ならではの健康づくり」を取りまとめ、以降、この問題提起を生協の健康づくりの取り組みに生かしていただくことを目的に健康関連のテーマをとり上げた公開研究会を生協総合研究所では毎年開催しています。2023年度は「健康づくりへのナッジの活用」をメインテーマにとり上げ、2022年度の公開研究会でメインテーマとしたヘルスリテラシーの向上とバランスをとりつつ、ナッジを健康づくりに活用する場面について学び合う公開研究会を企画し、9月21日に開催しました。

 福田吉治氏(ビジネスと人権市民社会プラットフォーム 代表幹事)には前半の講演で、行動経済学とナッジの基本的な考え方や枠組みについて解説いただいた後、実践事例を①喫煙対策、②運動・身体活動支援、③健診・保健指導に分けてそれぞれ紹介いただきました。さらに、ナッジの活用方法を①先行事例の横展開、②ナッジの視点からの見直しと改善、③ゼロからの取り組み立案の順に示し講演全体をまとめていただきました。

 林芙美氏には(女子栄養大学 栄養学部 准教授)後半の講演で、福田氏の講演でも説明があった2つの思考システム(直感のシステムⅠ/理性のシステムⅡ)や"CAN"アプローチなどに改めて触れていただいた後、研究結果から食行動変容へのナッジの活用例(より効果的なナッジのレベル、スマートミールの効果、アプリでの代替案の提示効果、「こっそり減塩」など)を紹介いただき、最後にナッジの強みと限界も明示し講演全体をまとめていただきました。